「世の中から、色恋沙汰なんか無くなればいいのに…」
そう思ったことがある。
なぜかは忘れたけど、イロコイザタは、世の中を混乱させる、と思ったような気がする。
男女が恋愛をこじらせる事なく、始まる時はときめいて始まり、終わる時はしっかりと終え、そして再び純粋に相手を思い、結ばれるとしたら、憎しみや残念や無念なんて無くなるんじゃないか、そうしたら、未来は明るいんじゃないか、って。
もちろん、人の思いはそんなに簡単なものじゃなく、憎しみも恨みつらみもある、絶望に近い無念もある。
ただそれが一体、どこから来てどこへ向かうものなのか、ということが自分なりに整理して昇華できたら、やっぱりまた再び、人を愛することができると、そう今は思う。
いや、むしろ、愛さずにはいられなくなるのかも知れない。
思いっきり人を愛し、愛されることは、人生を豊かにする。
そもそも愛し愛されることは奇跡のようなものだし、互いの愛のエネルギーが循環を終えたら、再び自らの内なる愛を拡大するために誰かと出会い、誰かを思うかもしれない。
そういうふうに、私たちの心や魂は、「人を好きになる」という奇跡のスイッチを内包して生まれて来ているんだと思う。
惹かれ、焦がれ、人を思う、その気持ちに出逢うために。
愛の大きさを、知るために。



