06.07

人生の主人公になる
私たちは、自分が主役の人生というRPGのなかを生きている。
そんな発想・視点に出会うのが、まさか心理学だとは思っていませんでした。
人生はRPGだなんて、そう思うことや聞くことはあっても、今から70年も前にすでに学術的に理論化されていたとは。
講座でベースにしている「交流分析」は、カナダの精神科医・エリックバーンが提唱したものです。
その中の「人生脚本」は、私たちの人生の基礎をつくる筋書きのようなもの、私たちが人生の早期に身につけた生き方を左右する思考やパターンであり、現在も進行中のものを言います。
これだけでも、すでにハッとすることがあるかも知れません。
私たちの人生のベースには、親や養育者がいます。そして生まれ育った環境や風土背景があります。
幼い頃の私たちにとって、社会とは家族や身近な親族たちであり、その人々の中には地域性や風土に育まれた価値観や常識のようなものが存在します。
そしてたとえ同じ日本でも、地方によって異なるのは言葉や食べ物だけでなく、そのものが生み出される歴史や文化があります。その土壌や気候に由来するものもあります。
私たちは一人ひとりが、まっさらな「私」という個人である前に、何らかのさまざまな影響を受けて存在する「こども性」を備えた人である、という視点にたつ時、今の現実に向かうための力やたくわえを身につけているかどうか。
仕事や家庭や社会における課題や、理想に立ち向かう知恵や勇気を持ち合わせているかどうか。
もしもそれがYESでなかったとしたら、それは私たちが人生というストーリーを充分に描ききれなかったか、時代や個人に応じた理想的なものでなかったかも知れません。
「人生脚本」は、書き換えが可能です。
自分の人生の主人公は自分です。誰もが。
すべての人が自分の人生の責任者になる時、世界は真の意味での調和が訪れると信じて、いろんな色で調和する世界をイメージしながら、今から15年ほど前「Colorful Harmony」というブログタイトルにしたことを思い出します。
誰かのため、または自分ではない誰かの価値観に基づいて描いた脚本では、人生の明るい未来が展開しきれなくなったとき、それは新しいストーリーに描き換えるときなのかも知れません。